注意点も押さえておこう
障害物に注意する
室内を移動する際、敷居や電気コードなどの障害物につまずいたり、引っかかったりすることがあります。歩行介助を行う前にこれらの障害物はできるだけどけて、通路の幅が十分にあるかどうか、事前に歩行経路を確認しておくといいでしょう。普段から通路には物を置かないようにすればどかす手間が省けます。また、床が濡れていると滑りやすくなるため、濡れていないかどうかも事前に確認しておきましょう。
屋外での移動は室内での移動よりも多くの危険があるので、室内で歩行介助を行うとき以上に注意が必要です。特に雨の日や冬場の早朝は道路が濡れて滑りやすく、転倒のリスクが高いので気をつけてください。交通量の多い道路を歩くときは介護士が車道側に立ち、安全を確保するようにしましょう。
靴や服にも気を配る
スリッパやサンダルなどのかかとのない靴は滑りやすいため、転倒のリスクが高くなります。また、重い靴は足を疲れさせる原因になるので避けた方がいいでしょう。要介護者の足のサイズに合った、軽くて滑りにくい靴が理想です。
室内の場合は靴下で歩いている人もいますが、靴下は滑りやすいので大変危険です。滑り止めのついた靴下や滑りにくい室内履きを履くか、可能であれば脱いで裸足で歩いても構いません。
服装はズボンの長さやウエストに注意してください。丈が長すぎたり、ウエストがゆるかったりすると裾を踏んで転んでしまうことがあるからです。丈が長すぎていないか、ウエストがゆるくて歩行中に下がったりしていないかを事前に確認しておきましょう。
補助具の状態を確認しておく
歩行のために杖や歩行器を使用している人も少なくありません。杖や歩行器は使用しているうちに破損したり、劣化したりします。そのままだとバランスを崩して転倒などの事故やケガにつながることがあるので、ゴムを交換したり、新しいものに取り替えたりと定期的にメンテナンスを行いましょう。
杖は先端のゴムの劣化、歩行器の場合はネジの緩みやタイヤの摩耗、フレームの歪みなどに注意してください。メンテナンスは月に1回は必ず行うようにしましょう。事故を未然に防ぐことができます。
こまめに休憩する
短い距離でも休憩を取りましょう。無理をすると疲れてしまい、転倒のリスクも高まります。座って休憩する場合は、立ち上がるときにふらつかないように注意が必要です。要介護者を支えながらゆっくりと立ち上がるようにしてください。
休憩のタイミングは決まっているわけではありません。転倒のリスクを考慮しつつ、要介護者のペースを見ながら適度に休憩を挟みましょう。