歩くことの重要性
様々な効果が得られる
歩行は日常生活の基本的な動作ですが、なぜ重要なのでしょうか。それは、歩行することで様々な効果が得られるからです。最近の研究によると歩行は運動不足の解消だけでなく、認知機能の低下防止にも効果があることがわかりました。
歩く力が落ちるとどうなるのか
歩行する機会が少なくなると家にこもりがちになります。そうすると、廃用症候群になり、最悪の場合、寝たきりの状態になることもあります。廃用症候群とは病気やケガで長期間寝たきりになり、身体能力や精神状態が低下した状態を指します。例えば、筋力が衰えると歩行するときに足を引っかけてしまうため、転倒しやすくなります。転倒すると骨折から介護が必要になる可能性が高いので、転倒しないためにも日頃から歩行して筋力を維持することが大切です。
また、家にこもりがちな人は気分が沈みやすいため日常生活の意欲も低下し、うつ状態になることがあります。この状態が進行すると認知症やうつ病を発症する可能性が高まるため、日常生活にも大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。しかし、意識して歩行することでこのような症状を予防できます。歩行は単なる移動手段ではなく、自分らしい生活を送るための大切な活動なのです。
生活習慣病の予防にもなる
食事は栄養補給に欠かせないものですが、食べ過ぎると使われなかったエネルギーが脂肪として蓄積されます。また、過剰な体重や体脂肪の蓄積は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の発症リスクを高めてしまいます。
これらの予防や改善には有酸素運動が効果的といわれていますので、歩行は生活習慣病の予防としても最適です。
睡眠の質を高める
不規則な生活習慣により睡眠不足に悩む人も少なくありません。睡眠不足は自律神経のバランスの乱れが原因で起こることが多いといわれています。歩行すると副交感神経が活性化しリラックス効果も得られるので、睡眠不足の解消にも有効です。
骨粗しょう症の予防
車や電車などの乗り物での移動が当たり前になった今、骨や筋肉への刺激が不足しています。しかし、歩行は骨にも刺激を与えるため、骨粗しょう症の予防としても非常に効果があります。
認知機能の低下防止
2012年にカナダで開催された国際アルツハイマー病学会で「歩行障害は認知機能の低下を示す可能性がある」「認知機能の低下が重いほど歩行速度が遅くなる」という報告がありました。そのため、歩行は身体機能の維持や向上だけでなく、認知機能の低下予防にもつながります。