目指せ!歩行介助マスター 目指せ!歩行介助マスター

歩行介助をスムーズに行うために

歩行介助を行うために知っておくべきポイント

自分の足で歩くことは身体機能の維持や向上につながります。当サイトでは安心・安全に歩行介助を行うために知っておくべきポイントを詳しく解説しています。正しい方法で介助し、高齢者の健康を守りましょう。

スムーズに歩行介助をする方法

スムーズに歩行介助をする方法

歩行動作を妨げない

歩行介助をする際、全身を支えるつもりで介助するとかえって歩行を妨げてしまいます。なぜなら、人間は二足歩行の際、すべての関節と筋肉を連動させてバランスを保っているからです。まっすぐ立っているときは体の中心に重心があります。しかし、歩くときは骨盤が動き、重心が前後左右に移動します。この重心移動は上手く歩くための重要なポイントです。
転ばないように、と心配して相手に近づきすぎたり、相手の腕に強くつかまったりすると重心が偏ってしまうので歩きにくくなります。手足の自然なふりを妨げないように近づきすぎず、歩行動作の妨げにならない範囲で介助しましょう。

手をつないで支えるだけではない

介護士が要介護者と向かい合い、手をつないで介助する手引き歩行介助の場合、ただ手をつなげばいいというわけではありません。要介護者の肘を下から持ち上げるようにするのがポイントです。要介護者は介護士の肘につかまるような形です。要介護者のペースに合わせながら後ろ向きに歩いていきますが、介護士が転倒すると2人ともケガをする可能性があるので、進行方向に障害物がないか、注意しながら歩くようにしてください。

要介護者のペースに合わせる

歩行介助する際は要介護者のペースに合わせてください。強引に引っ張ってはいけません。転倒の原因になります。また、歩き方や癖にも注意しましょう。要介護者の重心が右に移動したら自分も右に、左に移動したら自分も左に、と足の動きや歩幅、リズムを合わせてください。

階段の昇り降り

階段の昇り降りを介助するときは麻痺している方の足ではなく、健康な方の足に重心を置くことがポイントです。
杖をついている場合、昇るときは「杖」、「健康な方の足」、「麻痺している方の足」という順番で、降りるときは「杖」、「麻痺している方の足」、「健康な方の足」という順番で動かすとスムーズに昇り降りすることができます。
杖をついていない場合は片手を手すりにつかまらせて健康な方の足に重心をかけるように声をかけてください。介護士はバランスを崩したときに備えて、階段を昇るときは要介護者の斜め後ろに、降りるときは要介護者が斜め前に立つようにしましょう。

双方の安全を守るために

適切な歩行介助は介護士と要介護者、双方の安全を守るものです。
間違った介助をすると歩くのが困難になったり、転倒の原因になったりします。2人が同時に転倒すると介護士はもちろん、要介護者もケガをする可能性があります。適切なポジションを保つ、要介護者のペースに合わせる、などに注意しながら正しい動作で介助するようにしましょう。